11月11日はいつもと変わらず。

! 今日はポッキーとプリッツの日だ!」
 がさりとケビンがテーブルにスーパーかコンビニのビニール袋を置いた。
「……へぇ……」
「相変わらずのノリだな。大阪人はノリが良い筈だとキッドから聞いたぞ」
「時と場合によりけりやって訂正しときぃ」
「そうしよう」
 ノリは悪いが中身のお菓子は食べたいらしいは、買い占めたのかと聞きたくなる様な量のポッキーとプリッツを物色する。
「なぁなぁ、ケビン。これってどれ食べても良いのん?」
「(こういう時は普段の数倍カワイイんだよなぁコイツ)ああ、好きなだけ食え」
「うわーい、やったー」
 棒読みの様でそうじゃない微妙な言い方で笑いは中身をテーブルに並べて行く。
「王道のポッキー、プリッツ。おぉ、プリッツって色々味あるなぁ。これ知らん味」
 ケビンマスクの都内某所にあるジム休憩室がこんな甘ったるいお菓子の匂いをさせる様になったのも、が出入りを始めたから。
「プリッツ食べたいけど今日はポッキーの日らしいから、ポッケーにする」
「言い方おかしいぞ。老人か」
「ポッキー、ポッケー、ポポポッケー」
「活用だと!? しかも三段!?」
「……ケビンって日本語の文法詳しいねんね」
 謎のツッコミに苦笑しつつパッケージを破り中身を取り出したは二本取り出して、
「ほいケビン」
 鉄仮面の青年に突き出す。
「 KEVIN first(ケビンファースト)」
「 ladies first(レディーファースト)だろうが」
 勝手に自分の名前を入れて英単語を作ったにすかさずツッコミを入れた。発想が豊かなのか単にアホなのか解らない奇行女だが、
が先に食えば良い」
「ケビンがポッキーの日やって言うて買って来たんやから、ケビンが先食べな。はい」
「……Thank you.」
 生まれた国や種族など関係ない。
 奇行女のこういった相手を重んじる性格が、ケビンは本当に好きだと思わずに居られない。
「………にょぉ……これ甘なったぁ」
「五本食い!? 女らしさゼロ!?」
 やはり奇行女
 彼女へのツッコミも奇行子ケビンマスクは忘れなかった。


 ーー5本食いって……そりゃ甘い。ーー by 書き手